趣味の工作:PRS SE Standardの改修 ブリッジ固定など

今年は出張が多いです。スタジオバニマです。

趣味で友人とコピーバンドをやっております。
2年ほど前でしょうか?ギターを務めていた古い付き合いの友人が「止むに止まれぬ事情」で突如バンドを脱退。
それもライブの日のリハーサル後に突如「今日でヤメます!」と宣言し、本番終了後に山口百恵のように(古い)そのまま機材を全て置いて帰ってしまいました。ステージに置きっぱでは無いですがw楽屋に全て。

本当に仕方のない事情であり、周囲も理解し、現在でもライブを見に来てくれたりという良好な付き合いです。
空いたギターはメンバーの先輩が後任を務めています。

で、その取り残された機材たち。
「使うなり売るなり捨てるなり好きにして!」と言っているのですが、まあ捨てるにしろ売るにしろやっぱり気がひけるのと「いつかまた弾けるようになったらなぁ」という思いでメンバー間で分散して使いながらも各々保管しています。

PRS SE Standard 24

 

ウチの工場はいくらか場所があるのでギター本体を置いてあります。
んでまあただ取ってあるより使うのが楽器にとっても彼にとってもいいのかな、とたまに弾くのですが。

うーん、コレちょっとなぁ…w

彼が在籍していた頃に言っていた不満と併せて、まとめて改修することにします。

改修前の状態

本体:PRS SE Standard 24(PRSのアジアン生産モデル。まあ安物ですw)
ピックアップ:純正の85/15S“(本家PRSの85/15のアジアンコピー)から本家PRS  \m/(METAL)に両方共変更 高級品です!
ブリッジ:固定ネジを締め上げてボディに固定、ブリッジが下がった分コマを上げて調整
ペグ:GOTOH マグナムロック(のCOMBAT OEM品)に交換

不満1:高音がキンキンしすぎているのでトーンを絞って使っていた(本人談)
不満2:チューニングが安定しないからペグを替えたがそれでも安定しない(本人談)

弾いてみるとまさにその通りです。ピックアップはソレだけでギターが買えるほどの高級品ですがおそらくボディが低音全然鳴らないんでしょうね。
それとブリッジを無理矢理下げたせいでボディとの接触が不安定になり、フローティング金物の音ばっかり拾っているような…弦とフローティングバネしか鳴ってないんじゃないかなこれ…
ブリッジも固定したつもりがPRSのブリッジの特性で不安定、チューニングが安定しないのもコレですね、多分。

 

さあ、改修しましょう!テーマは「彼のギター」です!

 

ブリッジの固定

ブリッジのフローティングエッジ用ネジを締め上げて下げていましたが、PRSのブリッジはコレだけだと安定しない形状です。ネジ部の真裏にエッジが立ってて面でボディに当たれないんですよね。
本来宙に浮いているのですがこれ調整がめちゃくちゃ難しくて、PRSも「弄るな◯すぞ」みたいな事言っています。

とりあえず1/16インチ=約1.6mm宙に浮いている位置が正常なようなので、1.6mmのスペーサーを作って挟み込みます。
オトナなのでノギスで測って設計、CADに起こしますw

アルミやステンで1.5mmでも良い気もしますが、電位差で錆びたら嫌なので鉄にしました。亜鉛めっき鋼板(ボンデ鋼)をレーザーカットします。エッジは錆びるのでエポキシ塗料で錆止め。

ブリッジの下の黒いのがソレです。見えますかね??
コマが上がりきってるのが見えますね、後で下げて調整です。

これで上下位置は適正になり、ボディへの接地も前よりは良いのですがまだ弦を張ると動くと思います。
なので裏側に木を打ち込んでブリッジを固定します。

後ろは9mmのベニヤwがちょうどよかったのでそのまま。前側は家具用の無垢材があったのでフライスで厚みを調整し、ゴムハンマーで叩き込みました。塗膜がぐちゃぐちゃなので(安物)、すり合わせより叩き込むほうが早いです。
この時衝撃は裏へ抜け、ブリッジ固定ネジに全て掛かります。自分も途中で気づきました。
ちゃんと裏側(ギターの表側)を何かに当てたまま叩き込みましょう。
こうなるとバネはもはや要らないのですが、ブリッジへのアース線も兼ねているのでそのまま残します。

これでしっかり固定され、チューニングも安定しました。ナットにはレモンオイル。
ネックも振動しますね、前より。

ピックアップの交換

高級なピックアップが付いていましたが、不釣り合いということでお役御免。
自分の趣味だとセイモア・ダンカンのSH-4を積みたくなりますが、今回は「彼のギター」というテーマなので彼に合いそうなのを付けます。
このギターはボディ、ネックともにマホガニー。しかもセットネックなのでレスポールぽいと仮定して選びます。
(実際はそんなにレスポールじゃないです、あくまで っぽい です)

フロント:SH-2N JAZZ
ブリッジ:SH-16 59/custom hybrid

どっちもクロームカバーを付けておきます。自分じゃ絶対つけない色だなぁw

SH-16はコレ良いですね。古いタイプとハイパワータイプが半々のニコイチモデルです。
自分は大抵SH-4を積むんですが、歪ませてバッキングした時の音が

元のMETAL:ジャッジャッジャァァァァァ−−−ン(うるさい)
SH-4 ヴァッヴァッヴァァァァァァ−−−ン(コンプ感あり)
SH-16 ギャッギャッギャァァァァァ−−−ン

今アホだと思いましたね?違いますよ?ほんとにこうですよ?w
バイト感(噛みつき感)てコレのことですかね。クリスピーとかいうの?そういう音です。

今時のメロコア、ラウドロックなんかは無理ですが、ハードロックで上手い人が弾いたらめちゃくちゃかっこいい音です!
タッチがすごく出るのでヘタな私にはキツいですがw

フロント側のSH-2はクリーンがとても良いです。歪ませてもいいですがともかくクリーンイイです。
ただしフロント側にものすごいメロウを求める人には向かないかもです。ワリと上までスッキリと出てます。

PRSの内部配線、ほかのギターと結構違います。
テスターと資料を代わる代わる見ながらの作業です。一部純正の配線方法から変更したりもしました(セレクタの使い方が独特だった)
半端な電気知識だと痛い目見そうです。

コイルタップも出来るように配線しておきました。
SH-16はコイルタップするとSH-1(59)側が出るようになってます。ニコイチなので。
ギターの特性か、それぞれのピックアップやコイルタップの音色が結構ハッキリと切り替わります。

 

服もモノクロばっかり着ていやがったので今回は色はいじらずそのままです。

弄る前に「いじりますよ」と連絡をしてから改修しました。まあ戻ってきても「それは使えないけどねw」と言っていましたが次のギターを選ぶ際の参考にでもなればいいじゃないですか、ね。

 

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