超ハードスケジュールです。押せ押せで死にそうです。スタジオバニマです。
ここ2.3年、バニマでは制作作業に関する過度の残業や休日出勤はほとんどありません。
もちろんたまにはありますがw
もっと前までは深夜残業当たり前、休み無し当たり前の超ブラックでしたが
原因と解決を試みたところ大幅に改善されました。
いわゆる「働き方改革ブーム」に乗ってみたタイミングでしたが、自分なりに原因と解決法を探求した結果です。
単なる「残業禁止」とかは意味がないです。全く意味がないです。
んで自分なりの解決方法を書いておこうかと。
状況
まず根本です。簡単ですよね!「オーバーフロー」。仕事量が超過しているんです。
では 何に対して超過しているのか? です。
ここで「仕事多すぎ」だけで思考停止すると解決不可です。
これには2つあって、
個人能力に対するオーバーフロー…その人が作業しなければいけない作業量が個人能力を超えている。
全体リソースに対するオーバーフロー…人員数に対して作業量が多すぎる。
後者に関しては「金銭面に対するオーバーフロー」も含まれます。お金を払って人員を増やせば解決できる可能性があるからです。
原因
上記2種のオーバーフローが起きる原因は
個人能力の場合…個人能力の把握ができていない、もしくは検討していない。
全体リソースの場合…作業の量がそもそも把握できていない、もしくは検討していない。
となります。
簡単に言えば例えば「10日後に納品」とある場合に「誰が、どのくらいの速度で、どのようなの作業をこなすか」が検討されていないわけです。
この辺、結構「10日かあ、大丈夫じゃない?」みたいにしちゃってました、前までは。
解決に向け
原因が把握できたので、解決していきます。
まず、作業開始前の見積もり段階での精度を大幅に上げました。
前までは
「設計 ○万円」
だとすると
機構基礎検討(どんな仕組みで動かすか検討、実験も必要そうなら含む)
機構設計(どんな部品を使うかを検討、図面にする)
製作用作図(加工部品それぞれを業者さんにお願いするための作図作業)
このくらいまで細分し、それぞれを半日単位で作業量を見積もります。(さすがに時間単位は面倒なのでw)
こうすると具体的に「思ったより掛かりそうだな…」「なんだ、簡単じゃん」みたいな感覚が出てきます。
コツは想像内で一連の作業をしてみることです。
全体的にこういうふうに検討しておけば「全然思っていたのと違った!」「全然時間が足らない!!」という事態は減っていきます。
ただし、これをするには
普段から自分の作業速度を気にする…作業開始時と終了時に時計をチラ見する。
自分にあまり関わらない作業の作業内容と時間を把握する…他の作業を時計とともにチラ見する。
を普段からやっておく必要があります。
速くやらなきゃ!じゃないです。なんなら自分の遅さを自覚するためでもあります。
これをやらないと、人間「俺の思う理想の作業スピード」で書いちゃうんですよ、見積もりをw
思い当たる節無いですか?
結果と副産物
こうして出来た精度の高い見積もりから始まる仕事は
仕事量…まあ想像通り。
金額…作業量が想像できているので適正な金額。
リードタイム(納期までの作業時間)…これも想像通り。
となります。いきなり初めからはなりませんが意識していれば精度はどんどん上がっていきます。
また、稼ぎの面で見ても思った通りの利益が確保できるので、たとえば業者さんに対して支払い時にマケてもらうことも無いですし、安定しますよね。だって予想通りなんだもん。
んでですね、
こうして出来る見積もりには自社内の改善だけじゃなくて、外に対して大きい説得力を持つようになります。
例
顧客「もうちょっと早く出来ない?」
こちら「ここの作業でこの位かかるのでこのままでは短縮不可能です」
顧客「どうやったら短縮できる?」
こちら「この作業部分の負担を減らすよう変更するか、この作業に対して人的リソースを突っ込む予算を載せてもらえませんか?」
コレがあいまいな見積もりだと「早く!」「頑張ってみます」と従前の状態になるわけです。
「どのくらい何が不足しているか」が自分でも分からないわけですから。
また、終盤までの作業が想像できているので納期までの可否を分ける分水嶺となるタイミングを見る間隔が出ていきます。
「あ、今日これキメないと終盤死ぬな」みたいな間隔です。
数ヶ月に渡る仕事の最初の方にも分水嶺はありますが、その辺の察知が早くなります。
周りからは「騒ぐの早すぎじゃね?」と言われることもあります。
6ヶ月に渡る仕事で最初の1ヶ月目で「今月ここ決めてくれないなら降りる」ということもあります。
でも終わってみると結果その辺りが効いている事が多いのです。
とこういう改善をして現状になっておりますが、残念ながら世の中「自分のスピード」「自分の無能さ」「他社の能力」を分かってる人は少数。
上が押せば下の工期もどんどんズレていきます。
どんどん工期は押して行き現状に至ります、とさw