最近同業者も自動化がガンガン進んでましてですね。
ウチはFDM(熱溶解積層法)式の3Dプリンタの導入がワリと早かったんですが、そこは零細w
どんどん他に追い越されてしまいまして。
他が追い越したのであれば、そういう用途はそこに頼めばいいや!wということで、仲間内がまだ持っていない方向へ進むことにしました。
光造形式の高精度3Dプリンタです。
Formlabs社のform2です。
キックスターター上がりで有名なやつですね!
購入にあたってはベンチテストを色々した上で決めたんですが、そのベンチテストに非常に協力的だったフュージョンテクノロジーさんから購入しました。
form2については意外とアマチュアや趣味で導入されている方も多いようで、そういう用途に対する情報が多くて助かります。海外のフォーラムも充実してますしね。
上で「ベンチテストを色々」と書きましたが、このプリンタに絞り込む過程で出てきたウチでの条件が
1.通常のレジン(脆い)ではなく丈夫なレジンがラインナップされていること。
2.各種レジンが結局ウチでの用途や塗装に耐えうること。
3.導入によって明らかなコストメリットを見いだせること。
です。
まず条件1。
このプリンタの材料には「デュラブル(PPライク)」と「タフレジン」という丈夫なレジンがラインナップされています。デュラブルはペットボトルの素材…までは行かないけど柔らかめかつ丈夫、タフレジンはある程度の硬度を持ったまま耐衝撃性があるようです。
ベンチをあれこれした結果、ウチにはタフレジンが合う、とうことで一緒に購入。
テスト出力して色々試してみました。
細くてエッジがあって…ということでこの形状。
この写真はさんざんテストした後の写真です。
ハンマーで殴る、コンクリに投げつける、紫外線を5倍位当てる、手でへし折ろうとする、アルコールに10分浸すetc…
めちゃくちゃ頑丈です!!!!!!
(普通のレジンだと、殴った時点でパキッと割れてると思います)
ちょっとエッジ周辺がボロいのはサポートを手で毟り取ったwあとに何も手を加えていないからで、強度面とは関係ありません。
条件2と3はコレ
テストで出力したものに、手を加えないまま
手前灰色:普通のサフェーサー(タミヤの缶スプレーのやつ)
奥白色:ポリサフェーサー(木工用。ポリエステル樹脂でコーティング)
を掛けてみました。普通のサフェーサーに関する情報は結構ありますがポリサフェーサーに関する情報はレアじゃないでしょうか?w
ポリサフェーサーによる仕上げのほうがよりきれいに仕上がっており、また塗膜自体もめちゃくちゃ頑丈かつ剥がれませんね。
心配していた溶剤によるダメージもありませんでした。
また、この位のスケールの造形に対しても出力後の手作業が大幅に減らせることがわかりました。
今までFDM式だと仕上げみがきに1日半〜2日ほど掛かっていましたが30分ほどの作業で済みそうです。
これは人件費で考えるとめちゃくちゃ安上がりになりますね。
手前青:form2+タフレジン
奥透明:KEYENCE社製 業務用3Dプリンタ(数百万クラス)
精度的にも「あれ?form2の方が精度高くね???」というレベルでした。
KEYENCE社製のほうはプリントエリアが大きい(A4位までいける)とか出力速度が早い(3〜5倍)というメリットが値段なりにあります。用途次第だと思いますがウチ的にはform2で間に合いそうです。
出力後の洗浄に関して、各サイトでIPA(イソプロピレンアルコール)での洗浄が推奨されています。
ウチでもIPAを購入してやってみましたが、天邪鬼なのでw他の物も試してみました。
すると、「消毒用エタノール」や「無水エタノール」の方が成績が良かったんですよね。
もともとIPAは毒性があるので使いたくなかったので、ウチではエタノールで行こうと思います。
洗浄も「液に浸して揺らす→すすぎ→を繰り返す→30分乾燥」が推奨されていますが、「エタノールに浸けつつ、筆で洗浄→エアダスターで強制吹き飛ばし&乾燥」が手間もなく作業速度も早い、ということで採用されています。
とりあえず今は色々試しているところです。
来週あたりには実戦投入です!